社会 | コミュニティ

健康に関する取り組み

世界保健機関(WHO)は、所得水準別死因分析に基づき、各国・地域ニーズに応じた健康改善に取り組むことが重要であると指摘しています。ブリヂストングループは、地域住民の健康状態を改善し、より健康的なライフスタイルを持続的な文化として根付かせることで地域社会に貢献します。

2022年は、24か国で238件※1の健康に関する取り組み(うち201件は外部パートナーと連携※2、1,311人の従業員ボランティアが参加※3)を86,885人の地域の方々に対して実施※4しました。

  1. ※1活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
  2. ※2外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
  3. ※3従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
  4. ※4活動による直接裨益人数を集計し、集計方法は国や地域によって異なり、確認できた活動のみを対象としています。

AHL(Active and Healthy Lifestyle)

日本では、当社グループが創業当時から続けてきた「人々の生活と地域社会に寄り添い、一人ひとりを支える活動」をActive and Healthy Lifestyleの頭文字を取り、「AHL」と名付けました。それは一人ひとりが心身ともに健康で、個性を活かし、自己実現を果たしながら、多様な人々が互いに認め合い、助け合う共生社会を築くための活動です。この共生社会の実現に向けて、高齢者や障がい者が抱える社会課題を、地域社会や様々なパートナーとの共創によって解決することを目指しています。

当社では、アートを通じた共生社会の実現に向けた取り組みを推進しており、2021年から、障がい者の作品の展示会を東京都小平市にある「Bridgestone Innovation Gallery(ブリヂストン イノベーション ギャラリー)」で開催しています。2022年には、「みつめあって、みつけあって。」をテーマに、展示会を行いました。この展示会では障がい者と彼らを支える人、そして来場者の3者が交流できる場を目指しています。これにより障がい者への理解を深めていただくこと、また彼らを支える人たちのことを知っていただくことが、当社の願いです。

また、来場者同士の交流を促進するため、地域コミュニティと連携して2つの関連イベントを開催しました。1つ目は、小平市にある福祉作業所で製作された製品の即売会です。この即売会は、来場者が障がい者や彼らを支える人々と直接触れ合い、小平市の福祉作業所や展示会に出展する障がい者アーティストの日々の仕事を知る機会となりました。

2つ目のイベントは、障がい者でも演奏ができるインクルーシブなハンドメイド楽器を使用した演奏会です。参加者は簡単な打楽器からギターなどの複雑な楽器まで、自分の気に入った楽器を作り、それに色や絵を加えて、オリジナルの楽器を完成させました。このハンドメイドの楽器を使って、参加者は特別に編成されたバンドと演奏を楽しみました。この展示会やイベントは、障害者週間のつどい実行委員会、武蔵野美術大学、白梅学園大学、さらに小平市にある複数の福祉作業者や市民の方と共同で開催され、合わせて1,458名の方々に楽しんでいただきました。

AHLについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。

未来起点プロジェクト(日本)

ブリヂストンは2019年より、お茶の水女子大学と共同で、次世代の女性リーダー育成のための「未来起点プロジェクト」を進めています。このプロジェクトでは、高校生・大学生・大学院生の女性を対象とし、企業や自治体、教育機関などの多様なステークホルダーと学生たちが対話し、未来起点で考え、行動する学生のリーダーシップを育成することを目指しています。

困難な時代の食料安全保障(シンガポール)

ブリヂストン アジア パシフィック ピーティーイー リミテッド(BSAP)とブリヂストン タイヤ セールス シンガポール(BSTSG)は、支援を必要とする人たちに毎日11,000食を提供するWilling Heartsを継続して支援しています。

1)タイヤの装着支援
安全なモビリティの実現のため、BSAPとBSTSGは、Willing Heartsとその11台の車両に対し、タイヤの安全研修と点検プログラムを実施し、車両の安全確保のためタイヤを提供しました。また、Willing Heartsの車両の整備を行う、BSAPとBSTSGのお客様であるH-Tyresと連携し、今後Willing Heartsの希望に応じてタイヤの装着を支援していきます。

2)フードデリバリー
8名の従業員ボランティアが、島内50か所以上に約100食分の食料を届けました。この作業を終えた後、各ボランティアはWilling Heartsに戻り、食料配給所での支援に参加しました。

3)食料配給所でのボランティア
BSAPとBSTSGの従業員27名が、ご飯を炊いたりパックに詰めたりするエリアと、魚のマリネを調理するエリアにそれぞれ割り当てられ、支援活動を行いました。

LILTのピンクリボンキャンペーンを支援(イタリア)

Italian League for the Fight against Cancer(LILT)は、乳がんの予防と早期発見の重要性に対する女性の意識向上を目的として、「ピンクリボンキャンペーン」を毎年行っています。ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー(BSEMIA)は2022年も、10年連続でLILTのピンクリボンキャンペーンに参加し、ミラノ営業所の全従業員を対象に予防活動を展開しました。同協会の施設では、各従業員に対し乳房や皮膚の無料健診が行われました。

ヘルスケアやがん治療の研究・予防を支援(イタリア)

BSEMIAの技術センターの従業員は、イタリア多発性硬化症協会(AISM)の多発性硬化症研究を支援するため、クリスマスキャンペーンを行うと共に、寄付を募る目的でりんご販売を支援しました。2022年には、約200名の従業員がこれらの取り組みに参加しました。また、同技術センターでは、Association of Voluntary Italian Blood Donors(AVIS)の支援のもと4回の献血イベントを開催し、50名の献血者を呼び込む一方で、Associazione Donatori Midollo Osseo(ADMO)の支援により、14名の従業員が骨髄分類スクリーニングを受けました。

また、乳がん啓発のためのウォーキング・ランニングイベント「RACE for the CURE」に参加し、乳がん基金「Susan G. Komen」を積極的に支援しています。 このイベントは4日間にわたり、健康、スポーツ、福祉、団結をテーマに乳がん予防のための募金を行うものです。COVID-19感染拡大の影響による2年間の中断を経て、2022年は同技術センターの従業員250名から成るチームがこのイベントに参加しました。

2021年には当社のイタリア・バリ工場の従業員により288件の献血が行われ、2022年には約50名の従業員が「RACE for the CURE」に参加しました。

身近で使いやすい地域医療サービスの提供(インド)

ブリヂストン インドは地域医療の向上に積極的に取り組んでおり、プネのチャカンとインドールのケーダーにある製造拠点周辺の農村地域に向けて、移動診療車による訪問診療を行うプログラムArogyamを開始しました。移動診療車は経験豊富な医療従事者のチーム、医薬品、基本的な診断設備を備え、2022年も41以上の村落で、予防と治療のための医療サービスを提供しました。引き続きそのネットワークを強化するなど、質の高い医療サービスを身近に提供することで、農村地域の健康において早期発見・早期治療、時間と費用の節約、身近な医療を提供します。

移動診療車の運用により、以下が実現しました。

  • 診療までの時間短縮
  • コスト削減
  • 在宅医療
  • 有資格医師による診断
  • 効果的な医薬品の提供
  • 外来と行動変容コミュニケーションに関するセッションを通じて35,269人の意識を啓発
  • 村の二次的医療支援システムとの強固な連携・協力関係
  • 生理衛生、公衆衛生、思春期の問題などの大幅な改善

また、思春期の女子や生徒を対象とした、季節病、水、衛生に関する啓発活動を実施することで、彼らの行動変容に大きく貢献しました。

B-Olympic(BSEMIA)

「B-Olympic」はウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミング、ウェイトリフティングに加えショッピングやガーデニングなど、あらゆる種類の活動をキロメートル(km)に換算して、貯めることができるデジタルプラットフォームです。
毎年BSEMIAでは、世界保健機関(WHO)が推奨する健康な成人の目標である「1日1万歩」の目標達成を目指して従業員が体を動かすことでkmを集め、目標距離に応じた金額を15の地域のがん慈善団体へ寄付しています。2022年は全体で200万kmの目標を達成し、約135,000ユーロを寄付しました。過去5年間の活動の寄付金額は総計約755,000ユーロに達しています。この取り組みには、イタリア、ベルギー、ハンガリー、ポーランドをはじめ、様々な拠点の従業員が参加しています。

Bridgestone Athletics Centre(オーストラリア)

ブリヂストン オーストラリア アンド ニュージーランド(BSANZ)は、次世代の優れた才能やレジリエンスを育む上で、スポーツが重要な役割を果たすと考えています。オーストラリアのソールズベリーにあるBSANZの旧タイヤ工場は、世界で通用するスポーツ施設「Bridgestone Athletics Centre」として生まれ変わりました。6.8ヘクタールもの広大な敷地をソールズベリー市に寄贈すると共に、資金提供を行いました。鮮やかな青いランニングコースは、50トンの使用済みのゴムを再利用して作られています。同センターは一般に公開されており、様々なアスリートが使用する重要なトレーニングの場となっています。

ランニングコースの改修(タイ)

タイ ブリヂストン カンパニー リミテッドはAHL(Active and Healthy Lifestyle)に注目しており、ディーラーの協力のもと、タイ・クラビのタラパークにあるランニングコースの改修を行い、地域社会に貢献しました。2022年10月には、コース改修の完了に伴ってコースを自治体に引き渡すイベントが行われ、すべてのサブディーラーが参加しました。