社会 | コミュニティ

教育に関する取り組み

当社グループは、人々の生活の質の向上と職能の開発につながる教育が重要であると考え、事業を展開する地域においてインクルーシブで開かれた教育を支援しています。特に初等教育や技術・職業訓練に重点を置き、タイヤの製造・販売で培った強みを活かし、次世代の自動車整備のプロフェッショナルを育成するための様々な研修プログラムを提供しています。

2022年は、22か国で182件※1の教育に関する取り組み(うち163件は外部パートナーと連携※2、18,484人の従業員ボランティアが参加※3)を52,351人の地域の方々に対して実施※4しました。

  1. ※1活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
  2. ※2外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
  3. ※3従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
  4. ※4活動による直接裨益人数を集計し、集計方法は国や地域によって異なり、確認できた活動のみを対象としています。

小中学校への出張授業(日本)

小中学校への出張授業

日本では、2004年より「ブリヂストンこどもエコ総合学習」を開催、2011年からは「環境ものづくり教室」へリニューアルし、環境と仕事について考える機会を事業所近隣の小学校に提供しています。また、2020年に新たに「グローバルコミュニケーション教室」を加え、事業所周辺の中学校で多様な人とコミュニケーションを取ることの重要性を伝えています。2022年は、「環境ものづくり教室」を27回、「グローバルコミュニケーション教室」を10回開催し、合計3,261人の小中学生が参加しました。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

実習プログラム「Be MANTAP」(インドネシア)

職業訓練教育施設

ピーティー ブリヂストン タイヤ インドネシア(BSIN)は、職業訓練教育施設(LLKBS)を実習プログラム「Be MANTAP」として刷新し、技能習得を目的とする1年間の製造研修・実習を通じて、地域社会のための人財育成に取り組んでいます。この取り組みは、厳しい競争に晒される中でも調和のとれた労使関係を維持することを目指し、BSINの経営層と労働組合が共同で進めています。BSINの調印式に招かれたインドネシア労働省のイダ・ファウジヤ大臣は、すべての関係者による熱心な仕事ぶりや、効果的なコミュニケーション、コミットメント、共感を高く評価しました。また、BSINがCOVID-19の感染拡大中に地域支援に貢献したことに対し、感謝の意を示しました。

自動車関連業界で働くための教育支援(米国)

自動車関連業界で働くための教育支援

BSAMは、全米の自動車整備技術者不足に対応するため、次世代の自動車整備技術に関する様々な教育を行っています。地域のパートナーや教育指導者と協力し、テネシー州ナッシュビルではMaplewood High School Automotive Training Centerを、またオハイオ州アクロンではEast Community Learning Centerのブリヂストン アカデミー オブ アプライド エンジニアリング アンド テクノロジーを支援しています。両校とも、自動車整備及びタイヤ販売の小売店であるファイアストンコンプリート オートケアの店舗を模した施設での実地学習や当社グループの技術者による指導などを含む4年間のカリキュラムを提供し自動車整備業界でのキャリアを築くための支援をしています。2022年に、両校合わせて150名以上の学生が支援プログラムを受講し、Maplewood High Schoolでは、48名以上の卒業生が自動車業界で就職し、East Community Learning Centerでは、50%以上の学生が卒業前に技能認定を取得しました。本プログラムで自動車整備のトレーニングを受け、技術者としての就職を目指す女性も増えています。

Driving Great Futures(米国)

Driving Great Futures

米国では、BSAMが「Boys and Girls Clubs of America(BGCA)」と長期的なパートナー関係を構築し、自宅とクラブへの送迎に使う交通手段を提供するなど子供がいる家庭を支援しています。BSAMは国内2,200以上のタイヤ・自動車サービスセンターのネットワークを通じたお客様からの寄付などをもとに、2015年以降累計でBGGAに2,000万ドル以上の寄付を行いました。

プログラムの中心は送迎補助金で、ブリヂストンの低燃費タイヤを装着したBGCA用バンの購入や既存車両の保守・修理に使用されています。また、BSAM直営店では車両整備を実施したり、地域コミュニティのクラブ活動へボランティアとして参加しています。

2022年には、BSAMの寄付金額は約360万ドルに達し、以下の目的に活用されました。

  • クラブの送迎用ワゴン車を12台購入
  • BGCAが展開する40以上のクラブの送迎車両のメンテナンス
  • BGCAが展開する24のクラブに新しい機器や技術リソースを提供

またBSAMは、NFLのスター選手も参加する「Tight End University研修プログラム」と提携し、BSAMの「Driving Great Future」を通じて社会的に価値のあるクラブとその地域コミュニティのために、より多くの資金を集めることに貢献しました。「Driving Great Futures」に共感するNFLファンからの寄付をもとに、米国全土のクラブに計13万1000ドルを追加で寄付しました。BSAMは、「Driving Great Futures」を通じた支援を2024年まで延長し、全米のクラブの子どもたちやその家族のために必要なリソースを提供するという本プログラムのレガシーを継承していきます。

従業員と地域ステークホルダー向けの教育・訓練施設
ブリヂストン企業大学訓練センター(アルゼンチン)

従業員と地域ステークホルダー向けの教育・訓練施設 ブリヂストン企業大学訓練センター

ブリヂストン企業大学(BCU)は2003年に設立され、従業員や取引先、地域住民などのステークホルダーに教育・訓練の機会を提供しています。2015年には訓練センターを開設し、アルゼンチンのカリキュラムに合わせて訓練・教育体制を強化しました。開設以来、当センターでは220万時間にのぼる教育・訓練を提供、これまでに17,500人を上回るステークホルダーの皆様が訓練を受けており、540人以上がBCUを卒業しています。

フェザーストーン・プログラム:受刑者への技術トレーニング(イギリス)

BSEMIAは、英国スタッフォード州のフェザーストーン刑務所で、出所者がタイヤ技術者として活躍するための支援を行っています。約30人の受刑者がInstitute of the Motor Industryの認定資格取得に向けて、ブリヂストン リアクト ロードサイドタイヤ技術者トレーニングを受講しています。

科学を専攻する高校生を対象とした研修(イタリア)

科学・技術・工学・数学(STEM)分野におけるキャリアの実態を調査することを目的に、ローマにあるBSEMIAの技術センターで科学を専攻する高校生を対象とした研修を実施しました。こうした研修を通じて、青少年のジョブスキルやライフスキルの育成のために教育・訓練の機会拡大に取り組んでいます。2022年には、2回のセッションが技術センターで開催され、30人の学生及び75人の従業員が参加しました。

コミュニティガーデンの支援(南アフリカ)

ブリヂストン サウス アフリカは、Food & Trees for Africaと協力し、持続可能な食糧生産への取り組みと技術習得支援を目的としたコミュニティ農園づくりを行っています。
2021年11月にはブリヂストンのボランティアスタッフがNeo Mathabe特別学校で、知的障がいのある生徒のために野菜の植え付けを支援しました。また、2022年5月には果樹の植え付けを支援しました。この学校は知的障害のある生徒たちが、卒業後に農業で生計を立てていけるように必要な知識や技術を習得することを目的として設立された学校です。また、この農園は飢餓ゼロを目指すプログラムを支援しています。これらの活動を通じ、ブリヂストンはインクルーシブで開かれた教育やより健全な地域社会の実現に貢献しています。

農村部の学生と教師の能力開発とCO2削減に貢献する
ブリヂストングリーンIT教室プログラム(中国)

普利司通(中国)投資有限公司(BSCN)は、同社の工場がある地域の慈善団体であるZhonggu Gongyiと協力し、“Green IT Classroom program”の一環としてノートPCの寄付や、従業員ボランティアとZhonggu Gongyiのスタッフのサポートにより回収した廃棄予定のノートPCを修理しています。これらの再生されたノートPCは雲南省の農村部にある学校の生徒たちがデジタルリテラシーを身に付けるために、同校のコンピューター室へ寄贈されました。過去3年間のこの活動には、延べ107人の社内外からのボランティアが参加し、239台のノートPCを寄贈、135台のノートPCが再生されました。ノートPCの再生率は100%、デバイスの寿命は3-5年延び、531人の生徒と21人の教師に再生PCを使って頂きました。また延べ60.75トンのCO2削減を達成しました。

東日本大震災における復興支援の取り組み
夢のつばさプロジェクト(日本)

東日本大震災によって保護者を亡くした子どもたちを長期的に支援することを目的に、NPO法人お茶の水学術事業会を中心として、2011年より実施されているプロジェクトです。ブリヂストンは、同事業会が主催するキャンプなどの活動に自社の保養施設を提供しています。COVID-19の影響で対面式の活動やイベントが縮小される中、オンラインを中心とした活動に切り替えています。新たに8人の生徒が参加し、プロジェクトはさらに活発化しています。

日本国内の災害復興支援の取り組みについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。

Play Green With Us(ポーランド)

「Play Green With Us」は、子どもたちのための教育プログラムで、子どもたちの環境保護の意識や行動を促すことを目的としています。ブリヂストンのポズナン工場では、ゲームやコンテスト、クイズなど、子どもたちが親しみやすい形で環境教育を行うことに力を入れており、小学1~4年生の児童が参加しました。

Project Unnati(インド・ケララ州での持続可能な天然ゴムプロジェクト)(インド)

プロジェクトの詳細は「調達」をご覧ください。

Green Power Program(スペイン)

2022年5月に、ブリヂストンのプエンテサンミゲル工場はAlfonso Líbano Firestone財団と共同で、カンタブリア州のトレラベガとラレドで「Green Power」自動車レースを主催しました。このイベントでは、学生が自ら電気自動車を設計し競い合うことで、チームワークとイノベーションを促進しました

Swayamsidhha(農村地域に暮らす女性の起業支援)(インド)

「Swayamsiddha」プロジェクトは、ブリヂストン インディア プライベート リミテッドのCSR活動の一環で開始された代表的な女性のエンパワーメントプログラムです。農村地域における女性の自立を促すため、女性の社会進出やコミュニティ開発活動への参加機会を提供することを目的としています。農村地域に暮らす女性と交流し、女性が直面する問題や社会に広がるその他の課題に対する理解を深めながら、課題解決に取り組んでいます。プロジェクトの初期段階では、マスクの製造や販売など、小規模の持続可能なビジネスの立ち上げを支援します。関心や市場のニーズに基づき、さらに多くの選択肢を検討する予定です。これまで、インドの祝祭ディワリに使われるオイルランプの作成、縫い物、衣類の仕立て、パン類の製造・販売、月経衛生、手作り生理用ナプキンの作り方に関する研修を実施しました。今後、これらの女性グループは法人として独立し、上記のような収入を得るための活動を行っていきます。

「Explore Careers」との提携(オーストラリア、ニュージーランド)

ブリヂストン オーストラリア アンド ニュージーランド(BSANZ)では、人財の確保が重要な課題となっています。BSANZは、「Explore Careers」を通じて、キャリア設計の重要な段階にあるオーストラリア及びニュージーランドの高校生数百万人と関係を築く機会を得ました。「Explore Careers」は、オーストラリア政府とニュージーランド政府の支援を受けており、この地域の代表的なキャリア・雇用プログラムです。生徒やキャリアアドバイザー、保護者に対し、進路や提携企業について継続的かつ定期的にコミュニケーションを行っています。

ブリヂストンは、「Youth Jobs PaTH」、「Mechanical Apprenticeship」、タイヤ装着を担う技師の実習など、若者の雇用と持続可能な熟練労働者の育成支援に取り組んでいます。BSANZと「Explore Careers」のパートナーシップにより、こうした重要なプログラムがさらに拡大することとなります。これらのプログラムはいずれも、地域社会の若者のスキルアップやキャリアアップを支援するだけでなく、BSANZが人財確保を継続し熟練労働者不足に対処することにもつながるといった事業上のニーズにも対応します。

農村地域におけるデジタルマーケティング研修(インドネシア)

BSINのCSR部門は、マーケティングとITサービスの専門学校であるRaya Schoolと協力し、インドネシアの伝統的な衣装であるケバヤを制作する組合の女性5人と若い男性農家3人に対し、インドネシアのブカシでデジタルマーケティングの研修を実施しました。デジタルマーケティングやコンテンツマーケティング、広告の作成や戦略策定、販売の最適化といった、地域のお菓子などのマングローブ関連商品をオンラインで販売するのに必要なスキルの指導に焦点を当て、2日間のセッションを行いました。従来のオンライン販売の場は、FacebookやInstagramなどのSNSに限られていましたが、この研修によってマーケットプレイスが拡大し、収入増加につながることが期待されます。Raya Schoolのファシリテーターに加えて、BSINの従業員もボランティアとして参加し、プログラムを支援しました。